また一つ尖端へと

来ました。もともと先週発売予定だったのが一週間延びた所為で軽く鬱になるほど待ちわびていた
SYSTEM OF A DOWNの新譜『HYPNOTIZE』購入。
レコーディングの際、アルバム2枚分ものクオリティを持つ曲が完成してしまったために、
前作『MEZMERIZE』と今作『HYPNOTIZE』へと分割され、2部作としてリリースされることに
なり、5月の『MEZMERIZE』から6ヶ月の時を経てついに姿を現した『HYPNOTIZE』。
当然同じ毛色の曲が多いのだろうか?などと想像していたものの、やはりそこはSOAD、非常に
カラフルで(この表現少し緩すぎなのかもしれないけど)、煌びやかに思えた前作とは一変。
『HYPNOTIZE』ではより現実の闇の部分、絶望的なまでに惨憺たる現状、それがストレートに
より表現されているように感じる。
特に終盤の#10「SHE'S LIKE HEROIN」〜#11「LONELY DAY」〜#12「SOLDIER SIDE」の流れ。
はっきり言ってここには夢も希望もない。だが、それこそがメッセージなのだろう。

時代がこれほどクレイジーだったら、僕らの中から生まれてくるものは、
エモーショナルでヘヴィなものになって当たり前だと思うんだよね。だってヘヴィな時代じゃないか。

Gtダロンが正にそう語っているし。更に

人間というのは、みんな成長してそして死んでいく。
それが現実的だからこそ、こうやって悲劇的な終わり方をするんだ。
誰もが自分もいつかは死んでいくっていう事実を受け入れられていないと思う。
だからこそ、人は天国を創り、地獄を創る。
そういう意味では僕にとってこのアルバムっていうのはリアリスティックな終わり方なんだ
って思うよ。
思うに、僕らが本当に自分達はいつか死ぬんだってことを理解していたら、
例えば人を殺すために兵士を戦場に送るなんてことに、もう少し躊躇するはずだと思うんだよ。
もっと生きてるということを、自分が今いる場所を、その瞬間をもっと楽しむはずだって思うんだ。
………わかんないけどね。

こうも語っている。
なんか長々と発言を引用してしまってのレビューって本意じゃないんだけど、やっぱり聴く上で
知っていてほしい(ちなみにライナーノーツに載ってる発言だけど)と思ったし、これを読んで
聴いてみたいと本当に思ってほしいと思ったので引用させてもらった。


SYSTEM OF A DOWNが奏でる音、それは間違いなくアートである。
万人が好むかどうかなんて関係ない。
ただ、その本当のアートが持つエネルギーを一人でも多くの人に受け取って欲しい。
もちろん小難しく考える必要なんてなくて、ただ聴き、ただ感じるだけだっていいんだ。