バックホーンLIVE 太陽とカオス

NHK BS2にて放送された特番。
見る前はちょっとしたインタビューを挟んだライブ総集編みたいな感じだろうな、と思ってた。
けど、さすがNHKというべきか、ドキュメンタリーのタッチも含み、バックホーンの(菅波栄純のと言って
いいかもしれない)世界観も上手く描きつつ、先日の野音ライブの様子を見せてくれた良い番組だった。
特にドキュメンタリーの出来がほんと秀逸で、単にバックホーンを紹介するだけに止まらずに、
彼らの表現の根幹にあるもの、内面、そして栄純、メンバーの心の成長まで描いた内容の濃いものだった。
栄純が父親の死をきっかけに、自殺まで考えてたというのは結構衝撃的だったし。


野音のライブの時にも書いたように、『太陽の中の生活』は正直好きになりきれなかった。
それはやっぱり、俺がバックホーンに惹きつけられたのって、初期の激情と憎悪が入り混じった曲とかに
すごく共感を感じたりしてた部分が大きいわけで。それが少し薄まったように感じる曲が多かった『太陽の中の生活』
がイマイチ好きになれないのはたぶんそういう理由がほとんどなんだと思う。
でも、この番組見て、少し変わった。
ただやり場のない怒りとか憎悪とか、感情を吐き出しているだけじゃ、それこそそのまま終わってしまうわけで。
そこを乗り越えて他人を見つめて、やっぱ一人じゃないんだって実感して。
人間だれもがそうやって日々を越えていくわけで。
なんか、上手く言えないんだけど、俺自身ももっと前を向いて成長していかなきゃいけないなって。
少しだけどそんなふうに感じた。


それにしてもほんとドキュメンタリーとしても、ライブとしても良い番組だったと思う。
再放送なんてまぁ、ないだろうけど、見逃した人なんか機会あったら是非見て欲しい。
バックホーンを知らなかった人にも、もちろん知ってるよって人にも。