変化の兆し

湘南ベルマーレ(2-1)ファジアーノ岡山
得点者:阿部吉朗寺川能人

落ち着かない。攻撃も守備も。
強風の風下で、まずは安全を第一に切り抜けることを選んだ前半を終え、
少しづつサイドバックがオーバーラップをしかけ、サイドを切り崩し、
アジエル→阿部のホットラインを繋げ先制に成功した。
そこまでは問題ない。良かったとも言い切れないが、まずまず順調な試合運び。
しかし、リスクを冒して攻勢に出た岡山に対し、ずるずると引いてしまう。
中盤の足が止まりボールを食い止められない。FWのプレスも徒労に終わり、次第に
そちらの足も止まって反撃の基点ができない。更に押し込まれる。
つないで押し返したいDFと、なんとか凌ぐしかない足の止まった中盤の齟齬。
中途半端になるクリアボール。失点。
逆転すら脳裏をよぎる最悪の展開。
しかし、ここ2試合守ることで健闘を見せていた岡山が初めて見せた欲。
その隙を見逃さなかった大ベテラン寺川。
守勢に回り始め、中盤の足が止まった時、寺川か坂本を早く代えるべきだと思っていた。
前半の寺川は特に悪く見えていたから。ボールには絡むが球離れが悪く、つまらない
パスミスを何度か繰り返していた。
だが結果は見事な決勝ゴール。
背番号7としては認めていないが、その戦術眼と最後まで諦めない姿勢には脱帽せざるを得ない。

最小得点差で逃げ切るという形。
これは去年までの遺産だと思う。押し込まれながらも体を張ってしのぎきる。
しかし、今年のチームが志向する形はそうではない…のだと思う。
ただ、チームの形を変えるということは決して簡単なことではない。
今日も1点先行した後、去年までの様に身体と気持ち両面共に引いてしまった。
メンバーが大きく入れ替わった訳ではないから、それが染み付いてしまっている。
これにはなによりも時間が必要なのかもしれない。
それでも、今日は追い着かれて終わらなかった。ずるずると逆転されてしまいそうな流れでも
折れずに勝ち越し点をもぎ取って勝ちきった。
この結果が、こうした一つ一つの積み重ねが新しいベルマーレの礎になっていく。
そう信じて行こうじゃないか。おっかなびっくりで疲れるけどさw